多重ビームアンテナの研究者たちがその試験運用に適した場所を探している

フラウンホーファー研究機構の集積回路研究所は、9種類の異なる電波を受信できる4素子アンテナを開発した。条件の悪い場所でもRFIDタグの位置や移動方向を正確に検知できるという。
著者 Claire Swedberg

多重ビームに対応するこの4素子アンテナは、タグの読み出しをこれまでよりも早く始め (たとえばタグ付きの商品を積んだパレットがリーダーの検知領域を通過する場合)、より長く読み出しを続けられる。ユーザーはある特定の方向とエリアに合わせてビームを絞ることができる。「こうして、私たちのアンテナはリードするエリアを広げ、それにつれてリードの期間も長くできるのです」とシューラーは語る。

ゲートが並んで設置され一斉に稼働しているような環境では、このアンテナは、特定のゲートを通過する商品のみを検知するようなシステムとしても使える。所定のカバー領域を越えてタグを読み出してしまうような逸脱リードを防ぐことができるのだ。

マリオ・シューラー
同研究所によれば、この多重ビームアンテナを使えば、通常なら複雑になるシステムを容易に構成できる。広いエリア内に8本のアンテナを立てる代わりに、「ゲートの両側に一つずつ、2台の多重ビームアンテナを立てるだけで、同等の性能が得られます」とシューラーは言う。

同研究所は、この新技術を試験運用に移して現実の環境下で検証したいと考えており、現在、協力企業を募っている。探しているのは、UHF帯RFIDシステムをこれまで使用しており、そのリードの信頼性や移動方向の検知能力に問題を感じているような企業だ。「このアンテナを実際に企業の現場で試したいと考えています。アンテナの性能を証明し、既存のソリューションに比べどれだけ優れているかをテストしたいのです」とシューラーは言う。

多くの企業は、すでにあるRFIDリーダーにこの多重ビームアンテナを新たに組み込んでシステムを改良できるだろう。同研究所が提供するソフトウェアはタグの移動方向を推定するこのアンテナの能力を十分に引き出すものなので、これを使ってこのアンテナはタグの移動方向を特定できる。このソフトウェアは、その施設に置かれリーダーが繋がっているサーバー上、または、リーダーがそのソフトウェアをサポートする場合はそのリーダー上で動作する。従って、リーダー側では方向検出のためのファームウェアやソフトウェアを追加する必要はない。もし方向検出の必要がないならば、導入はさらに簡単になる、とシューラーは言う。この場合、アンテナは自律モードで動作するので、リモートコントロールのインターフェースが不要になるからだ。

同研究所は試験運用が完了し次第、今年の第4四半期にも、このアンテナを市場に投入する予定である。

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