RFIDが中東の建設プロジェクトで工数削減と安全性の向上に役立つ

Consolidated Contracting Co.社が、オマーンとUAEの同社敷地内で、安全性と効率の向上を目指し、アイデンテック・ソリューション社製のアクティブ型UHF RFIDバッジを導入、ゲートにはUHFリーダーを設置し道路の減速バンプにはLFエキサイターを埋め込んで、作業員の動きを管理している。
著者 Claire Swedberg
Jan 24, 2017

中東で最大の建設・エンジニアリング企業であるCCC (Consolidated Contracting Co.) は、アクティブ型RFID (無線自動識別) を利用したソリューションを導入しテストを進めている。これにより、この地域の数か所に広がるガス製造プラントで働く何千名もの作業員の構内への出入りに関するデータを自動的に取得するのが目的だ。このシステムは当初、オマーンのPDO (Petroleum Development Oman) 社の製油所建設プロジェクトの工事現場に毎日約50台のバスに乗って出入りする4,000名の作業員をトラッキングするために導入された。

この建設会社は、資材置き場や倉庫の管理用、また給油所の管理用に、他のRFIDシステムのテストも続けている。同社は来年、新たなプロジェクトに、資材置き場や倉庫の資産管理ならびに入退出管理用システムを順次導入していく計画だ。

CCC社のハゼム・ラディ
CCC社は、石油・ガスプラントをはじめ製油所、石油化学施設、パイプライン、さらには空港や道路網、高層ビルの建設と管理に携わっている。同社は現在、中東からヨーロッパにかけておよそ35のプロジェクトを抱え、各地の作業現場やオフィスで働く従業員の総数は13万名にのぼる。その作業現場は複雑なうえ多くの作業が並行して行われており、さまざまな任務を帯びた従業員に加え下請け作業員たちが毎日、多くの作業現場に出入りを繰り返している。それぞれの作業現場に誰が入場し誰が退場したかを追跡管理するため、従来通りなら入出門に担当者を待機させ、手作業で入退場者の個人認証をし記録に残さなければならない。数千の作業員が出入りする作業現場では、こうした手続きは時間がかかるうえに手違いも多発する。

入退場の自動化を図るため、CCC社は2013年以来、RFIDを利用したシステムを開発しテストを続け、バスに分乗して各地の作業現場に到着する作業員を個人識別する方法を探ってきた。CCC社のIT・EAMソリューション部門長でビジネス・テクノロジーと技術革新を担当するハゼム・ラディは、作業員の安全確保こそ同社の第一目標だと語る。緊急避難の際や事故の発生時には、同社は誰が現場に取り残されているかを知る必要がある。さらに、同社はこのRFIDデータを蓄積して、アナリティクスにより各プリジェクトの作業現場への人員配置の方法を向上させ、また給与の自動支払いを可能にしていく予定だ。

CCC社は、作業員を乗せたバスを構内の出入り口で停車させ運転士に個人IDを提示させたりしないで済むようにしたかった。同社は最初、作業員がパッシブ型RFIDバッジを身につけるシステムをテストしたが (英文記事 CCCがRFIDパイロット・プロジェクトを拡大運用 参照)、リーダーは各作業員に与えられたID番号を読み出して、各人の入退場門の通過を検知できたものの、それが入場なのか退場なのかを確認できなかった。そこでこのシステムでは、入場門と退場門の2つの門を用意することになった。しかし、これは土地の有効利用とはならないので、CCCは施設内に設置する極超短波 (UHF) 帯RFIDリーダーの台数を多くせずに入退場の方向まで検知できるようなソリューションを探し求めた。

そこでCCC社はいくつかのベンダーとの話し合いを重ね、最終的にアイデンテック・ソリューションズ (Identec Solutions) を選定した。そのシステム構成は、太陽電池駆動で指向性アンテナ2本を持つアクティブ型UHF i-PORT M350リーダーと、路面の2つの減速バンプにアンテナを埋め込んだアクティブ型低周波 (LF) 帯i-MARK 3リーダーである。M350リーダーは双方向コミュニケーション型で周波数範囲も可変、250mの距離にあるタグまで読み出しと書き込みができる、とアイデンテック社の石油・ガス販売担当副社長のリー・ワグスタッフは語る。LFリーダーはエキサイターの役割を担う。このリーダーからの送信信号をバスや車に乗っている作業員が身につけているタグの一つひとつが受信し、そのタグは受信したデータをゲートに設置された専用リーダーへと転送する仕組みだ。バスや車は2つの減速バンプを順に踏み越えていくので、ソリューションは、減速バンプに埋め込まれたエキサイターからの送信信号の順序からタグの進行方向を検知することができる。こうしたRFIDの読み取り信号は、CCC社が所有するサーバー上で走る同社のソフトウェアによって管理される。

CCC社は、アラブ首長国連邦のアブダビにある同社の原油・ガスプロジェクト、並びにオマーンのPDO社製油所で、このテクノロジーのテストを進めてきた。アイデンテック製のアクティブ型UHF RFID利用システムは、2016年に建設プロジェクトが完了した後もずっと利用され続けている。同社がスマートCCCと名付けたこのRFID利用システムは、2017年カザフスタンの新たなパイプライン建設プロジェクトでも、まずは資材置き場を管理する目的で導入される予定だ。CCC社はさらにこのゲート管理テクノロジーを用いることができる将来のプロジェクトを探っている。

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