エアバスがUWINLOCのローコストRTLSをテスト

このフランスのスタートアップ企業のUHF RFIDシステムは、いくつかのメーカーで試験運用や導入計画が進んでいる。これは位置の3Dトラッキングを精度30cmでリアルタイムに行う。ビーコンがエネルギーを送出し、低価格のエネルギー受信型タグからの応答信号を受け取る仕組みだ。
著者 Claire Swedberg
Dec 15, 2016

航空機メーカーのエアバス (Airbus) をはじめとするヨーロッパのメーカーや物流会社数社が、新しいRFID (無線自動識別) 技術を用いたソリューションのテストを進めている。これはアクティブ型のRTLS (リアルタイム位置検出システム) だが、その利点はそのままに、従来のアクティブ型よりは安価で電池交換の必要もないシステムだ。フランスのスタートアップ会社UWINLOCが、ローコスト版パッシブ型極超短波 (UHF) 帯RFIDタグと、読み出しデータを集めて管理するソフトウェアが走るホスト型サーバーまたは専用サーバーとを用い、約30cmの粒度で2Dまたは3D空間での位置検出ができるシステムを開発したのだ。

屋内用位置検出システムの会社UWINLOCは、製造工場や倉庫で問題になっているが既存のRFIDシステムでは適切に対処できないある問題を解決するために、一年前に創立された。同社の設立者であるCEOのエリック・キャリウーとCTOのヤン・メネケンスはどちらも技術屋で数十年にわたリ技術革新に携わって来た。2人がこの会社を設立したのは、工業や製造業、物流の企業に対し道具や装置類、原材料や補材、完成品のトラッキングを助けるようなシステムを開発するためだ。

現在、自動位置検出用ソリューション (RTLS) にはアクティブ型とパッシブ型がある。電源用に電池を内蔵したタグを用いるシステムと、タグがポータルの通過時など限られた空間にある時だけ位置検出ができるシステムの2つだ。キャリウーによれば、後者のパッシブ型では、企業はツールや補助材料、完成部品などが工場内のどこにあるのか十分に突き止めることができない。直前にどこでそのRFIDタグが読みだされたかが分かるだけなのだ。

ほとんどのアクティブ型RTLSソリューションでは、タグは電池を内蔵しているため、価格は高く寸法は大きくなるうえに、電池交換などのメンテナンスが必要となる。これではほとんどの製造業者や倉庫は、施設内で読みだすべきタグが数千また数百万の規模になれば、もはや対応しきれず実用的ではない、とキャリウーは言う。

キャリウーによれば、UWINLOCの新技術は動作が異なる。同社はそのシステムに関し4つの特許を持っているという。「弊社のソリューションは、金属に囲まれた厳しい環境下で何億個のタグであれトラッキングができる、世界初の技術です」と彼は語る。

このタグはビーコンからのエネルギーを受け取る。ビーコンは、その周囲30mから50m内にあるすべてのタグに向けて、UHF帯の無線を送出する。送出するのはエネルギーだけで、固有の識別子や読み出しメッセージなどの送信はしない。タグ自体はUWINLOCが設計し、サードパーティーのメーカーが製造する。「一流のICメーカーに委託しています」とキャリウーは言うが、委託先の社名は明らかにしなかった。このタグがビーコンからのエネルギーを受け取り、エネルギーが十分に溜まったところで固有のID番号を送信する。読み出しを受けてそれに応答するのではない。またビーコンは、従来のパッシブ型RFIDリーダーに比べて極めて小さな出力で動作するという。また周囲に金属があっても安定動作するそうだ。金属が周囲にあると、反射等により無線信号はマルチパスとなり、「パッシブ型UHF帯RFIDが返す信号はそもそも信頼性に欠けるのです。」

UWINLOCのシステムの場合、ビーコンの役割はまずエネルギーだけを送出し、タグが返送する無線信号を受信して、Wi-Fi接続または顧客が選ぶ送信技術経由でサーバーへとそのデータを転送することだ。ビーコン自身は壁コンセントから電源を受ける。データの送信先は、顧客の施設にあるサーバーか、またはSaaS (ソフトウェア・アズ・ア・サービス) モデルではクラウドベースのサーバーとなる。どちらのシナリオであれ、UWINLOCのソフトウェアはいくつかのビーコンのデータから三角測量によりタグの位置を特定し、それをダッシュボードに送って位置データをリアルタムに表示し、また顧客の要望によってレポートの作成やアナリティクスを行う。UWINLOCによれば、リーダーが低パワーの信号を受け付け、またタグのデータ送信に反射が起こらないため、読み出しの可能な範囲は大きくできる。

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