航空産業の調査でRFIDを利用した手荷物のトラッキングに明るい見通し

IATAとSITAのレポートによれば、デルタ航空をはじめ多くの航空会社が手荷物の管理にRFIDの利用をグローバルに進め、2022年末までに$30億を節約しミスを25%削減するという。
著者 Claire Swedberg
タグ: Aerospace
Dec 14, 2016

IATA (国際航空運送協会) とSITA (国際航空情報通信機構) が行った最新の調査のレポートによれば、航空産業は、極超短波 (UHF) 帯無線自動識別 (RFID) 技術の導入により手荷物取扱いの効率化を進めミスの発生を抑えて、2022年末までに総額で約$30億の節約をめざしている。同じ期間にRFID技術によって手荷物の取扱いミスの数は25%低減できると期待されている。同レポートによれば、この実現のためには、世界のほとんどの空港にRFID技術を配備する必要がある。しかしながら、IATA決議753によりすでに、航空産業には手荷物の一つひとつの輸送について、出発地から目的地までの主要地点でのトラッキングの実現が求められており、おそらくはRFID技術の大規模な採用が進んでいくだろうと、IATAとSITAは考えている。

この節約の算出は、2021年までにほとんどの航空会社がRFIDを利用した手荷物トラッキング用のインフラストラクチャーを導入し終えていることを前提としている。

航空輸送セクター (航空会社や空港など) を対象とするIT関連の業界団体であるSITAは、今年IATAと協力して、先月ビジネス検討書を作成した。手荷物トラッキング用RFID と題したこのレポートでは、航空会社や空港がパッシブ型EPC Gen 2準拠UHF RFIDインレーを内蔵した手荷物用タグを利用する場合の潜在的な利益が計算されている。この2つの団体は、(従来のバーコード・スキャン方式と比べ) 手荷物のデータをより効率的に読みだすことができ、手荷物の位置や移動の可視化が進み、手違いの発生を減らして効率的な運営が行えることで、$30億の削減が達成できるだろうと見ている。

飛行機による旅の需要は増大し続けている。2006年以来、旅客数は毎年約5%の伸びを示し、その数は2015年に全世界で35.5億人に達した。現在、こうして世界中を旅する乗客が預ける手荷物の数は年間およそ30億個となっている。

この手荷物をより効率的で正確に取り扱うため、2018年6月までの実現を定めたIATA決議753が発効している。これに従い各航空会社は、手荷物の一つひとつについて、輸送ポイントの通過時点や振り分け時、保安検査の実施時、航空機への積み入れ時点、そして積み降ろしから乗客の手に戻る際に識別をする必要がある。

このIATA決議753に沿って手荷物取扱いの効率化を図るため、いくつかの航空会社ではUHF帯RFIDを利用した手荷物のトラッキングを導入しまたは試験運用を進めている。例えばデルタ航空は、RFID技術を用いた手荷物トラッキングの大規模な展開を進めている航空会社の一つである (記事Delta航空がRFID手荷物トラッキングに青信号を出す参照)。SITAの手荷物担当ヘッドを務めるピーター・ドルモンドによれば、この航空会社はRFID技術を344の空港に配備するため$5,000万規模の投資を行うという。そしてこの計画には、他の航空会社も大きな関心を寄せており、「これが (RFID技術の) 採用の大きな転換点となるかもしれません」とドゥルモンドは語る。

デルタ航空は、RFID Journalがコメントを求めたが答えなかった。それでも同社のウェブサイトを見ると、同社は今年から世界規模でRFIDタグを付けた手荷物の取扱いを開始しており、先月、次のように述べている。「RFIDハンズフリー読み出し技術が25のステーションで稼働を始めており、ここ数か月のうちにさらに多くのステーションがオンラインで結ばれて、全部で84拠点になります。これらの空港での取扱い数量は、デルタ航空が扱う全手荷物の85%以上です。」

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