RFID技術でギリシャの鉄道会社がコスト削減に成功

TrainOSEが貨物列車のトラッキング用にトリニティシステムズ社製のUHF RFIDシステムを導入して物流管理を改善し、外国籍の貨物列車の帰走の遅延により支払うコストの削減を進めた。
著者 Claire Swedberg
Sep 12, 2016

ギリシャの鉄道サービス会社TrainOSEが、RFID (無線自動識別) 技術を使ったソリューションを導入して貨物列車をトラッキングしている。同社は昨年からこのシステムを稼働させ、その成果を検討中だが、すでにこの技術が、外国籍で返却の必要がある貨物列車に発生するレンタル費用を削減できることが確認されている。

トリニティ・システムズ (Trinity Systems) 社が、貨物列車の車両に取り付けるEPC Gen 2準拠のパッシブ型UHF (極超短波) 帯RFIDタグと、トラッキングの対象となる鉄道沿いの主要な地点に設置されたRFIDリーダーとを提供した。同社はまた、 このシステムをTrainOSE社のソフトウェアに組み込んで立ち上げ、それが使えるようにTrainOSE社の担当者にトレーニングを授けた。このソリューションは、RFIDを利用して通過する貨物列車の車両を識別し、各駅での停車時間を調べて各駅間の移動時間を算定する。こうした情報を集めて物流のスケジュール管理の改善に活かすのがその目的だ。

TrainOSE社は、貨車の車体の左右にある銘板に印刷されているシリアル番号の近くにRFIDタグを取り付けている。
TrainOSE社は乗客用鉄道サービスを提供するギリシャで唯一の会社であり、またギリシャ全域で貨物列車を運営する大手である。同社は国内向けに (ワゴンと呼ばれる) 貨物列車を所有して走らせ、さらにギリシャ国内外を走り抜ける貨物列車を他国のプロバイダーからレンタルしている。TrainOSE社の以前の親会社だったギリシャ国有鉄道 (OSE) は、線路や鉄道駅、国内用の列車を所有している。

貨物を積んでギリシャにやって来る外国籍の貨車の多くは、ドイツやオーストリアから来る。ヨーロッパでは国際貨車規則 (RIV) という法律でこうした他国籍の貨物列車がギリシャに滞在できる日数が制限されており、この期限を越えるとTrainOSE社は、返却するまで日数に応じたレンタル料金を支払わなくてはならない。TrainOSE社は、こうした外国籍の列車も貨物の輸送にしばしば利用している。例えば、オーストリアから来た列車の貨物が降ろされて空になると、ギリシャの会社の貨物を積んでからオーストリアや近隣の国々へと送り返すのだ。

こうしたシステムは、TrainOSE社にとっても他のプロバイダーにとっても非常に複雑で管理が難しい。例えば、ある貨物列車が決められた期日内に返却されなければ、TrainOSE社はその列車がどこにあってなぜ遅れているのかを調べる。通常は、貨物の発送者宛てにファックスで送られた書類を辿ってその所在地や積み荷の状態を把握し、この列車が駅に着くごとにTrainOSE社が直接管理することになる。

ギリシャの鉄道を運営する同社にはこうしたレンタルおよび自社所有の貨車の可視化を進める必要があったと、TrainOSE社車両管理局長のアリス・コトザスは語る。それゆえ、2014年に同社は、文書管理の近代化を目指して同社が進めていた広範囲にまたがるプロジェクトの一環として、最新技術を利用したソリューションを探し始めた。「過去数年間、TrainOSE社は会社運営のすべての活動を管理するためのオンライン・プラットフォームの開発に投資を続けてきました」とコトザスは言う。「RFID技術を用いた全車両にわたる会社資産のトラッキングの自動化は、弊社の貨物管理プラットフォームに組み込まれる最後のパーツの一つなのです。」

「これは実に込み入った困難なプロジェクトでした」とトリニティ・システムズ社の設立者の一人でCEOを務めるテオドーレ・ヴァジリアディスは言う。TrainOSE社の計画では、当初は操車場や車両工場、駅など40の場所でRFIDを用いた車両のトラッキングが必要とされた。いくつかの場所では、リーダーはクラスター状に設置 (狭い範囲に多くのリーダーを集め、そのそれぞれが同じゲートウェイ機器へデータを送信) する必要があったし、また他の場所では、遠く離れた位置にリーダーを置く必要があり、サーバーへのデータ転送が難しいものになった。

トリニティ・システムズ社とTrainOSE社はConfidex社製タグSurvivorを選んで、およそ100台の貨車の片側の車両シリアル番号近くに取り付けた。タグのメモリーには、それぞれの車両のID番号が符号化されて書きこまれている。この2社は最初に試験運用を行い、TrainOSE社の鉄道網のうち北部の線路沿いにKathrein RFID製リーダーRRU4-ETL-E6とアンテナWIRA-70を6セット設置した。そうして6か月間の試験運用を行った後、昨年の夏に両社は、線路沿いにKathrein社製リーダーを計20セット増設した。「ぎりぎり安全な距離に配置したのです。」TrainOSE社は40セットを入手していたのだが、その時点では必要なデータを得るのに20セットあれば十分だと分かった。そこで残りの20セットは、システム全体としてトラッキングの分解能が向上する場所に設置することになった。

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