RFIDについて書かれていることは真実だ

あまりに目覚ましい成果の話を聞かされ、この技術がもたらす並外れた恩恵を疑ってかかる会社も多い。
著者 Mark Roberti
タグ: Retail
Aug 19, 2016

本当にあった話。数年前になるが、RFID Journal LIVE! Europeの会場で、スポーツシューズ大手の会社から来た紳士が私に挨拶してこう言った。「私どもの店舗の一つで試験運用を始めたところ、売り上げが20%伸びました。」

"「それは素晴らしいですね」と私は答えた。

「それが、」と彼は言う。「ひどいことになったのです。」私は、売り上げが20%伸びてどんなひどいことが起こるのかと聞いた。「なぜって、私がメーカーの皆さんにこのすばらしい成果の話をしたところ、皆私を笑って部屋から出ていってしまったのです」と彼は言う。「売り上げが3%伸びたくらいだったら、試験運用を拡大する資金はちゃんと用意できたのですが。この話はだめになってしまいました。」

これは極端な例だけれど、試験運用の好結果が受け容れられなくてRFIDプロジェクトを途中で止めてしまう会社の話はよく耳にする。新技術の信奉者たちがどんなに明白に話そうと、会社の上層部の視線は冷たい。これまで幾度となく、新技術は言うほどの利益をもたらさなかったからだ。

ある程度の懐疑論は当然だし健全だ。でも、確実に利益をもたらし、それが実現すればすばらしいことになりそうなプロジェクトを、懐疑だけで否定してはならない。良く調べること。方法論に誤りはなかったか。試験運用の管理者たちはその技術に関係のない利益まで含めたのではないか。例えば、売上高が伸びたのは一つ二つの商品が思いがけず大きな注目を浴びたからではないのか。

私は何も、小売り会社の社長の皆さんにRFIDなら売り上げを20%伸ばせます、などというつもりはない。でもまた、それがあり得ない話だ、とも言いたくはない。

自動IDセンター社の設立者の一人で専務取締役のケビン・アシュトンは、以前はProcter & Gamble (P&G) のブランドマネージャーを務めていた。1990年代の後半、P&Gが売り出した素敵な色合いの口紅が大人気となった。ケビンはよく販売店の店頭に出向き、その色合いの口紅が売り切れていることに気が付いたので、これに対応できる技術を調べ上げた。商品棚の商品が切れたら店員に警報で伝えてくれるような技術だ。もしこの時期にケビンが、口紅の一本一本にRFIDトランスポンダーを貼り付け、口紅の販売棚ごとにRFIDリーダーを設置することができたなら、その色合いの口紅の売り上げを楽々20%以上伸ばすことができただろう。

それから20年が経ち、RFID技術は成熟のレベルに達して、売れ筋の衣料品を常に在庫切れにしないようにできるまでになった。もうすぐ、宝飾品や化粧品類、スポーツ用品をはじめ小売のさまざまなカテゴリーにも広まっていくだろう。

疑う気持ちは大切だし、だから技術の持つ力はよくテストしてみなければならない。信じられないような結果が出たのなら、テストを繰り返すことだ。一歩一歩、求める結果が得られたことを確認しながら前進しよう。でも、その結果があまりに良すぎるからと言って、何がおかしいか分からないまま闇雲にその技術を否定するのは、賢明なやり方ではない。

マーク・ロベルティは RFID Journalの創設者で編集長です。この記事についてコメントを書きたい方は、下段のリンクをクリックしてください。マークの記事をさらに読みたい方は、RFID Journal BlogEditor's Note archiveRFID Connectをご訪問ください。

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