シャープ・チュラビスタ病院がRTLSを用いて患者の居場所を把握しベッドを管理

サンディエゴにあるこの病院は、RTLS技術を利用して職員が患者の居場所をリアルタイムに把握し、患者の退院時には病室やベッドの清掃のタイミングを知らせている。
著者 Claire Swedberg
タグ: Health Care
Aug 11, 2016

カリフォルニア州サンディエゴから24kmほど南にあるシャープ・チュラビスタ医療センターでは、テレトラッキング・テクノロジーズ (TeleTracking Technologies) 社が提供するRTLS (リアルタイム位置確認システム) と患者管理用ソフトウェアを導入して、患者の居場所の把握に使っている。このシステムが2015年9月に稼働し始めて以来、病院当局によれば、患者が退院すると同システムが清掃担当者に通知を送ることでベッドの稼働率が向上し、また職員や訪問者が患者の居場所を即座に把握できるようになった。

シャープ・チュラビスタ病院の親組織であるシャープ医療会 (Sharp HealthCare) は、当初2013年に傘下のすべての病院といくつかの外来クリニックに、テレトラッキング社が開発した患者フロー管理ソフトウェアを導入した。続いて同会は、傘下の病院のほとんどに、頻繁に使われる医療器具や高額な医療装置の所在地が把握できるRTLSを導入した。シャープ医療会はチュラビスタ病院を、患者トラッキングの試験運用プロジェクトに位置付け、やがては同技術を傘下の全病院へと広げていく計画だ。

テレトラッキング社ソフトウェアが映し出すシャープ・チュラビスタ医療センターの院内マップには、患者の所在地が示されている。
シャープ・チュラビスタは243床の病床と100床の特別看護ベッドを備えている。また救急医療科は毎日200人ほどの急患の診察に当たり、そのうちの20%ほどがそのまま入院となる。この病院は人の出入りが激しいため、シャープ医療会は2019年の開所を目指し新病棟の建設を進めている。それまでの間、シャープ・チュラビスタの救急医療科長デアンナ・ホワイトによれば、同病院は新たに入院が決まった患者に確実に対応するため、できる限り効率的な運営が必要で、また患者が退院した後は即座にベッドを清掃し、次の患者のための準備を進めなければならない。

テレトラッキング社のソフトウェアを利用して、この病院はすでに患者一人ひとりの入院に際し自動的に病室と看護担当者を割り当てている。さらに、テレトラッキング社は、医療器具トラッキング用RTLSソリューションであるセントラック (CenTrak) を提供し、ベッドや医療器具にタグを付けた。セントラックタグにはセンサーが組み込まれており、室内に置かれた電池駆動型のセントラック・ビーコンが発するIR信号を受信するため、そのタグの位置が分かる。そのタグは自身のID番号とビーコンのID番号とを、900MHzの信号に乗せてゲートウェイ役のPOE (パワー・オーバー・イーサネット) コレクターに送り、そうして集められたデータは病院のサーバーへ転送される、とテレトラッキング社RTLSプロジェクト長ジョン・カッツホールは説明する。

シャープ・チュラビスタ病院の救急医療科長デアンナ・ホワイト
シャープ医療会の技術・革新・効率化担当副会長ジャネット・ハンリーによれば、同会がRTLS委員会を発足させたのは2013年で、まずどの医療器具にタグ付けすべきかを検討した。「タグ付けの対象には細心の注意を払いました。正当な理由づけを持ってタグ付けをしたかったからです。」こうハンリーは言う。一般的に、まずは高額の装置類と、小さくて所在地がすぐには分からないような機器から順にタグ付けがなされる。同会の搬送統括部では、車椅子にもタグ付けし、その所在地を搬送の担当職員が容易に見つけられるようにした。

シャープ・チュラビスタ病院は現在、患者一人ひとりに入院時にセントラック用のリストバンドを付けてもらっている。まず、患者の氏名がテレトラッキング社の患者フロー管理ソフトウェアに入力され、そしてその患者に病室と担当の看護職員が割り当てられる。病院の職員がリストバンドのバーコードをスキャンすると、タグの固有ID番号が患者の医療記録と関係づけられる。リストバンドにはIDの情報だけが記載されており、患者の氏名や医療記録はソフトウェア側に格納されている。

そうして患者が病院内を移動すると、その先々に設置されているビーコンが送信するID番号をタグが受信する。そしてタグはそのデータをソフトウェアに送信するので、患者の居場所が分かる。こうして例えば、患者が放射線科に入ったならそれが分かるし、そこのCTスキャン装置のそばにビーコンがあれば、患者がCTスキャン室に入ったことも分かる。それからその患者が病室に戻ったら、その情報も直ちに把握されるのだ。

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