起亜自動車の車両の最終工程から出荷までの効率化をRFIDが推進

英国の物流業者パラゴン・オートモーティブは、パッシブ型UHF帯RFIDタグを用いて同社作業場および屋外複合保管施設での車両の受け入れから最終工程、保管、出荷までをトラッキングしている。
著者 Claire Swedberg
May 19, 2016

英国の物流業者パラゴン・オートモーティブ (Paragon Automotive) は、英国東岸部のイミンガム港近くに集められる起亜自動車の車両向けに無線自動識別 (RFID) ソリューションを導入した。ここで車両には塗装をはじめ最終工程が施され、一時保管の後に全国の小売店へと出荷される。このシステムは、パラゴン社の持つ管理用ソフトウェア、携帯型および固定型の両方のRFIDリーダー、そして各車両に取り付けて所在地のトラッキングをするためのEPC Gen 2 パッシブ型極超短波 (UHF) 帯RFIDタグからなる。パラゴン社は、RFIDの利用により、成長を続ける英国の自動車市場からの大量化と作業の迅速化という要求に応えられるようになった。

昨年、起亜自動車は、スタリンバラ地区に35ヘクタールの新施設を開設した。海外で製造された車両を受け取って仕上げ工程を施し、英国内の小売店やレンタル会社などに向けて出荷するための施設だ。パラゴン社は、これらの車両に現地で保管および最終工程のサービスを提供する。この自動車サービス会社は、RFIDシステムを導入して車両の位置を容易に把握できるようにし、作業の効率化を進めた。パラゴン社は、自動車メーカー向けに中古車の改装サービスと新車の仕上げ工程のサービスとを提供している。これは、自動車の買い主からの要求に応じて車両に最終工程を施し、屋外複合管理施設で一時保管し、出荷のため送り出すまでのすべての港湾サービスの提供だ。同社は年間で75万台の新車と中古車に対するサービスを行っている。

タグ付きの起亜の車両がパラゴン社の保管所に並ぶ。
新車市場は成長を続けている、とパラゴン社は言う。英国内で昨年販売された新車は263万台、これは過去最大で、市場は4年連続の拡大をしているそうだ。輸入車の急増により、どの自動車メーカーも物流会社も、全国の小売店へより多くより迅速に車両を届けなければならないという圧力にさらされている。起亜自動車のこの新しい港湾施設には常時およそ2万台の新車が並び、年間の取扱い高は10万台である。

これだけの数の車両はその位置確認の作業だけでも時間ばかりがかかる、とパラゴングループのITディレクターのクリス・ヒギンスは語る。実際、2万台の在庫調査を一回行うだけでも、どこにどの車両があるかを確認するのに20人の担当者が土日をまるまる費やしていたそうだ。どの車にもナンバープレートはまだ付いていないので、一台ごとに目視で識別する作業はとても困難なのだ。

パラゴン社のクリス・ヒギンズ
加えて、担当者は、仕上げ工程を終えて移動された車両の位置を知る必要がある。そしてこの際、その位置情報は後々も必要なのだからシステムに入力するのだが、これは人手ではとても難儀なのだ。車両の保管位置は列と区画で区別される。つまり所在地点はたとえば、「到着、AA列22番区画」となる。担当者は、車両を移動させる毎に、アンドロイドベースのいかつい携帯型装置に新しい保管位置とその車両の識別番号 (VIN) を手入力する。

「弊社は、RFIDを工程を簡単にし効率化を進めるための一つの道具と考えます」とヒギンズは言う。この技術により、一時保管されている車両の位置の確認ができ、例えば、本来あるはずのゾーンと列と区画に車両が駐車されていないならそれが直ちにわかるのだ。「RFIDの利用は、たとえ担当者が位置情報を正確に記録しなかった場合でも、どの車両であれその位置が分かる二次的な方法となります。」同社は、パラゴン社のEvolutionと呼ばれるソフトウェアに手作業で入力されたゾーンと列、区画から成る位置情報を信頼しているが、RFIDシステムがそのデータの裏付けとなっている。さらに、RFIDにより現場の担当者は、手持ち型リーダーを使って車両を認識できるようになる。VINの下8桁の数字を入力する必要もないのだ。

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