いまや企業の優先課題となっているRFID

デルタ航空とMacy’sは、RFIDを戦略の要に据える企業の好例だ。他社が知らず、この2社が知っていることとは何か?
著者 Claire Swedberg and Mark Roberti
Apr 12, 2016

過去数年間、デルタ航空(Delta Air Lines)は無線ID(RFID)技術を利用して、自社航空機内に取り付けた酸素発生装置の視認性を高めている(RFID Reduces Oxygen-Generator Waste for Delta Air Linesを参照)。全機種に搭載されたこのシステムにより、酸素発生装置の処分に関連する廃棄物の量が減り、航空機に装備された酸素発生装置の使用期限日の確認に要する時間が短縮された。デルタ航空の航空機整備部門のビジネス アナリスト、Rick Lewisがこのプロジェクトをはじめとするトピックについて、5月3日~5日にフロリダ州オーランドで開催されるRFID Journal LIVE! 2016にて語る(Keynote Speakers to Discuss RFID Deployments Underway at Lululemon Athletica, Oracle and Delta Air Linesを参照)。

デルタ航空が考えているのは、酸素発生器の視認性改善にとどまらない。RFID Journal AwardsのBest Implementation (最良実施)部門に提出されたデルタ航空の発表では、次のような言葉が述べられる。「デルタ航空においてRFIDは、もはや単なる整備上の優先課題ではなく、企業としての5大優先課題の1つだ」。

デルタ航空だけではない。エアバス(Airbus)も、数年にわたりRFIDの利用に集中的に取り組むことにより、コスト削減、航空機の製造方法改善、サプライチェーンの管理を行っている(Airbus to RFID-Tag and Track All Parts Made In-HouseAirbus Enters New Phase of RFID Usage, Digitalizationを参照)。このほかにも、Macy'sのPam Sweeneyは、今年のSpecial Achievement Award(特別功績賞)を受賞予定で、小売企業にとってRFIDがいかに重要か、また、RFIDが在庫精度とOSA(On Shelf Availability、棚に商品がある率)の改善にどれほど有用かについて語っている。(Macy's Launches Pick to the Last Unit Program for Omnichannel Salesを参照)。他の企業の役員からも、自社の経営上層部がRFIDを戦略イニシアチブと位置付けているという話しを聞いているが、これについて公に語ることは許されていないようだ。

ほかの多くの企業は知らず、上記の企業が知っていることは何だろうか? それは、RFIDの導入によりミッションクリティカルな業務を改善することが、時間を費やし、資本を投資する価値のあることだということだろう。その理由は、他の技術では考えられない効率性をRFIDが実現するからだ。

例えばデルタ航空は、1機のボーイング757に積載された酸素発生装置の使用期限日を確認するのに約8工数を要することを把握している。デルタ航空が初めて行ったRFIDAeroCheckソリューションのデモンストレーションでは、RFIDを使用すれば同じ確認を2分以内で行える可能性があることが示された。改良の結果、双通路型航空機の酸素発生装置の使用期限日確認が現在では45秒で完了している。筆者はデルタ航空の事業所を訪問したため、このことを確証できる。コックピットから機体後部の調理室まで片側の通路を歩きながら、リーダーを振りかざすこともなく機内の全タグを読み取ることができた。

このような生産性向上についてご存知の、あるいはソリューション プロバイダーからこの種の数字を用いた謳い文句を聞いたことのあるCEOの方ならば、疑念を持つだろう。「それは出来過ぎだ」と思われるはずだ。デルタ航空やMacy’sなどの企業は、新たな一歩を踏み出してRFIDの可能性を探ることに少しの時間を投資し、その結果に納得した。こういった企業がシステムを利用し始めたとき、システムは完璧なものではなかったが、他の技術では実現できないRFIDの利点を得られるかもしれないという手応えをつかむには十分な出来栄えだった。

ほかの数多くの衣料品小売企業や一部の航空会社も、RFID技術の可能性に投資をし始め、その利点を活用している競合他社についての記事を十分に読んでいるだろう。他の業界では、いまなお疑念が根強い。しかし徐々に、RFID導入の成功例が抵抗感を切り崩しており、他業界でも主要企業がRFIDを戦略イニシアチブと位置付けるようになるだろう。それに続いて、ジェフリー・ムーアが絶大な影響力を持つ自身の著書、キャズム(Crossing the Chasm)で描いたような自然な技術採用曲線がみられるはずだ。RFID技術が、ついに企業の優先課題へと高められていくことはエキサイティングなことだ。

Mark Robertiは、RFID Journalの創刊者・編集者です。この記事にコメントしたい方は、下記のリンクをクリックしてください。Markの意見をもっと読むには、RFID Journal Blog編集者のことば 、またはRFID Connectをご訪問ください。

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