RFID企業にとっての死活問題

RFID企業にとっての死活問題 自社製品に関心をもつ10人と、関心をもたない1000人、会うならどっち?
著者 Mark Roberti
Mar 03, 2016

このコラム・タイトルは大げさな謳い文句のように思われるかもしれないが、そうではない。これは筆者がここ何年もの間、RFIDソリューション提供企業に尋ねている質問だ。一部の企業は、自社の製品に関心を示す数少ないエンドユーザーに的を絞ってマーケティング費用を投じることがなぜ重要なのかを理解している。そういった企業はRFIDウェブサイトに広告を打ったりRFIDイベントに出席したりして、問題の解決策を積極的に求める企業とつながりをもっている。そしてそういった企業を次々と顧客にしてゆく。

一方で、自社の製品に関心を示していない1000人の人々に会いたいというRFID提供企業もあり、筆者はこういった企業を少なくとも25社は知っている。こういった企業は大きな展示会に参加していた。組織内のしかるべき人間と顔を合わせることさえできれば、自社のソリューションの価値をその人間たちに納得させられると考えているからだ。見込み客が顧客にならなかったときにも、最終的には大企業に自社ソリューションを買う気にさせることができると確信して何度も足を運んでいた。しかし残念ながら、そういった企業の目論見は成功しなかったし、この25社のRFID企業はすでに廃業している。

先日、あるスタートアップ企業にこの話をしたが、筆者のメッセージにこの企業は耳を傾けなかった。健闘を祈ってはおいたが、過去の事実と、確立された技術採用理論から見て、このスタートアップ企業が倒産に関する筆者のコラムに登場する日は近いだろう。

ジェフリー・A・ムーア(新たなテクノロジーがメインストリームになる過程を説明したベストセラー、キャズムの著者)によれば、新技術に投資するような先見性のある企業は、全体のわずか2%だという。つまり、いまだ試されていない技術について検討する可能性があるのは、1000人のうち、わずか20人ということだ。その1000人の中から先見性のある20人を見つけられる確率はどの程度だろうか? 見込みは低いだろう。こういった企業はRFIDソリューションを求めていない。したがってRFIDソリューションの提供企業を求めていないのだ。

一方、RFID Journalの年次会議・展示会、RFID Journal LIVE!で見込み客とつながりをもてる確率はどうか。昨年は、多種多様の業界から集まった50名を超えるスピーカーが、自社でRFIDを採用した理由とその結果達成された利点について語ったディスカッションを聞こうと、事業上の問題に対するソリューションを求める約2000人のエンドユーザーがこのイベントに参加した。

また、参加者は展示会場に足を運び、問題に対するソリューションを提供するRFID企業と接触することもできる。大半の大規模展示会とは異なり、RFID Journalは、参加者が展示会で自分の求めるソリューションを見つけることができるよう支えている。RFID Journalは、コンシェルジュ サービスを参加者に提供し、編集者(筆者)が参加者と電話で会話をして、参加者の事業上の問題について話を聞いた上で、出展企業との面会を提案する。また、参加者がカテゴリー別(リーダー、タグ、ミドルウェアなど)または業界別(例えば、医療分野のソリューション、製造業など)に製品を検索できるモバイルアプリ も制作した。

また、出展企業が製品を目に付くように展示できる製品ショーケースも作成した。例年、RFID Journal LIVE! で出会う参加者はRFIDに詳しく、特定の事業上の問題を解決するための具体的なソリューションに関心を持っているという声が出展企業から聞かれる。そのため、出展企業は素早く商談をまとめることができる。この業界は、展示会場で契約書に署名を交わすレベルまではいまだ成熟していないが、そのような状況が現実になる日もそう遠くないと思われる。

このように、“LIVE!”に出展する RFID提供企業は、熱心なオーディエンスに恵まれている。このように考えてみてはどうだろうか。世界中にいる魚の数が、わずか1万匹だとする。釣りをするなら、2000匹の魚のいる小さな湖か、それとも8000匹の魚が泳ぐ外洋か?

“LIVE!”に参加する余裕のあるスタートアップ企業ばかりではないことは承知している。また、もっと実績がありながら苦心している企業の中にも、投資を行うことに不安を感じる企業があるだろう。ターゲット オーディエンスにリーチする方法は、イベントがすべてではない。数年にわたり、RFID Journalでは、RFID企業が自社と類似したソリューションについての記事を読む読者に的を絞った広告を行えるバナー広告を提供している。さらに直近では、対象となる記事または検索結果に対して表示されるテキスト広告も追加した。ソリューション提供企業は、年間2000ドルという手頃な費用で、まさに自社が販売する種類のソリューションに興味を持つ数多くの人々にリーチすることができるのだ。

これは間違いなく、RFIDソリューションを求める人々にリーチする最も費用対効果の高い方法だろう。ところが、筆者が最近話をした企業のようなスタートアップ企業は、まさに自社が提供している製品に関心を持つ比較的少数の人々にリーチすることに価値を見出さないのだ。こういった企業は、自分たちが販売しているソリューションに関心のない1000人の人々で埋めつくされた展示会に参加することにむしろ金をかけたがる。残念な話だ。ソリューション採用がもっと急速に加速しなければ、こういった企業の戦略はおそらく失敗に終わり、すでに敗北を喫した数々のRFIDベンダーの仲間入りをすることになるだろう。

Mark Robertiは、RFID Journalの創刊者・編集者です。この記事にコメントを記入したい方は、下記のリンクをクリックしてください。Markのコラムをもっと読むには、RFID Journal BlogEditor's Note archiveまたは RFID Connectをご覧ください。

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