在庫の可視性を超えて

リテーラーはRFIDデータを活用してビジネスプロセスを向上し、真のオムニチャネルショッピング体験を実現すべきである。
著者 Bill Hardgrave
タグ: Retail
Nov 21, 2015

店舗でアパレル商品をタグしたりトラッキングしたりしているリテーラーは、RFIDが在庫の精度を増し売上を向上させているのを現実に目にしている。しかし有益であるのと同等に、RFIDの価値全体は認識されていない。さらに彼らは顧客にいつでもどこでも買い物ができるオムニチャネルを提供するという約束を果たすための必要な措置を取ってはいない。

問題は、リテーラーが収集したRFIDデータの全てを活用していないことである。RFIDの力を生かすには、リテーラーは次の二点を変える必要がある: 一つはビジネスプロセスで、もう一つは取り組むのがより難しいことになるかもしれないが、考え方である。

まず現行の小売データは統一商品コード(UPC)を中心に構築されている。UPCは、「グループ」レベルのデータで、各最小在庫管理単位は一つのUPC毎に表示されるということである。例えば、ブランドXYの男性用シャツ、サイズ16/34、青のUPCは1234567である。もし店舗にこのシャツを20着あるとすると、システムはUPC 1234567 が20と表示する。手元に20着ということである。そしてこのシャツの前後の発送分も全て同じUPCを持つことになる。

さて今度はRFID EPCで識別される同じシャツを考えてみよう。それぞれのタグには固有のシリアル番号があり、システムはシャツを別々に表示する。これにより、特定のEPCとリンクしたデータベース内で原産国、製造工場、費用といった情報を格納しやすくなる。例えばこういったデータにより、プラントAで6ヶ月前に製造されたシャツが、最近プラントBから入荷したものより欠陥が少ないということがわかるかもしれない。

リテーラーの多くは、新しいRFID「マスターデータ」を活用することに準備ができていない。その代わり彼らはUPCデータにEPCデータを破壊し、EPC情報の豊富さを台無しにして状況に対処する。リテーラーは全てのRFIDデータを格納するためのソフトウェア戦略を開発し、店舗プロセスをより良く理解、そして最終的には向上させるための分析・利用ができるようにする必要がある。またRFIDデータは、例えば店舗への返品を容易にすることなどで、顧客体験を向上するためにも利用することができる。

次に今日のオムニチャネル環境では必須である商品の完全な可視性を実現するために、全てのサプライチェインパートナーはデータを共有しなければならない。サプライヤーは製品がいつどこで製造されたか、いつ出荷されたかをリテーラーに知らせる必要がある。リテーラーは、製品がいつ流通センターで受領されたか、いつ店舗に出荷されたか、いつ売り場に並べられて売れたかをサプライヤーに伝える必要がある。従来リテーラーはこういったデータを共有することを好まない。しかし「私たち対彼ら」という古い気質は、オムニチャネルの世界では逆効果である。さらに言うと、サプライヤーがRFIDから最大の価値を得れば、彼らは発信元を区別するようにというリテーラーの要望に沿いやすくなるのである。

RFIDデータは一般的な構造によって共有されなければならない。そうでないと、サプライヤーがリテーラー毎に違うシステムを構築しなければならないとなると、大損害となるからである。幸運なことにGSIはすでにこの点を考慮し、ビジネスパートナーと共有すべく電子製品コード情報サービス標準を開発した(さらに詳しくは、ケン・トラウブのコラム「サプライチェーンの可視性」を参照)。サプライチェーンがEPCISの採用・利用を始める時期である。

ビル・ハードグレイブはオーバーン大学のハーバートビジネス学部長であり、RFIDラボ設立者です。彼は当コラムでその他のRFID採用、ビジネス事例問題を取り上げます。質問がある方はhardgrave@auburn.eduにメールしてください。ツイッターでは@bhardgraveでフォローしてください。

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